「湯島の白梅」
モチーフ:白梅
歌手:小畑実
1942(昭和17)年9月発売。
もとは「婦系図(おんなけいず)の歌」という題名だったそうな。
「湯島」とは、東京の湯島天神のこと。
北九州の太宰府同様、菅原道真を祀った天満宮なので、
受験シーズンには、多数の合格祈願者でにぎわいます。
「婦系図」は泉鏡花の小説で、
明治40年に「大和新聞」に連載され、評判となりました。
有り体に言えば、
作家と芸者の恋物語、でございます。
モデルとなっているのは、自分(=泉鏡花)と奥様ということで、
物語そのものは悲劇なんですが、
現実は無事に結ばれてめでたしめでたし。
この中に湯島天神での逢瀬の名場面がありまして、
その辺りを中心に「湯島の白梅」として映画化・舞台化されています。
この曲は、映画版「湯島の白梅」の主題歌。
歌詞はこちら → 「湯島の白梅」歌詞
小畑実・・・と日本名ではありますが、
この方、朝鮮ご出身でした。
当時はそのことを隠して、日本名で歌手活動をなさっていたのです。
古風ですが美しいメロディーラインと、
古雅な歌詞に調和する端正な歌声で、
戦中・戦後の流行歌手として、
昭和歌謡史にその名を刻んでいます。
梅の花は、やっぱり和の雰囲気が似合いますよね。
湯島天神では、
毎年、2月から3月にかけて1ヶ月にわたり「梅祭り」が開催されます。
この曲を口ずさみつつ梅の香りを楽しめば、
菅原道真公のご加護がさらに増すかも!?
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「湯島の白梅」(小畑実)